シャープ本社を訪れ、報道陣の取材に応じる鴻海精密工業の郭台銘会長=5日午前、大阪市阿倍野区のシャープ本社(石川有紀撮影)【拡大】
経営再建中のシャープ支援に向け最終調整している台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘会長は5日午後、大阪市のシャープ本社で高橋興三社長ら幹部と会談後、総額7千億円規模の資金を投じ買収する案について「優先的な交渉権を得た。29日に最終契約したい」と記者団に語った。
郭会長は、交渉の早期決着を目指し急きょ来日。5日午前にシャープ本社を訪れ、約8時間にわたり協議した。
鴻海はシャープを買収し、傘下に収めることを提案。シャープは協議の中で、鴻海側が示した主力事業を切り売りせずに一体運営する方針や、雇用の維持、独自の液晶技術が海外に流出する懸念がないかなどをあらためて確認したもようだ。
シャープは鴻海と決裂した場合に備えて、産業革新機構との協議を継続する道も残している。