シチズンがスイス高級ブランド買収に強気 「300億~400億円規模を想定」
シチズンホールディングス(HD)は15日、平成30年度を最終年度とする中期経営計画の後期3カ年の目標を発表した。30年度の営業利益については当初目標400億円(27年度見込み305億円)を据え置く一方、主力の時計事業では、スイスの高級ブランド時計の買収を目指すほか、29年1月をめどに米国販売会社を統合。北米中価格帯市場でトップシェア獲得を堅持するなどの強化策を明らかにした。
シチズンHDは20年に米ブローバ、24年にスイスのプロサーホールディングを買収している。15日会見した戸倉敏夫社長は「スイス勢を中心に買収を模索する。買収金額は300億~400億円規模を想定している」と述べた。
前期(25~27年度)は、時計生産などを行うグループ内の国内5社の統合など製造拠点の再編を行い、グループの従業員の約1割を希望退職などで削減するなど構造改革を進めた。
しかし、戸倉社長は「中国の人件費や材料費の上昇などの環境変化に追いつけなかった」と分析。今後は「製造力の強化や技術革新、環境に応じたコスト削減を進める」とした。今年10月には事業会社のシチズン時計など2社を吸収合併し、純粋持ち株会社から事業持ち株会社に移行。これに伴い社名をシチズン時計に変更する。
時計事業以外では、工作機械事業で振動切削加工やレーザー加工の最新技術を導入した製品開発や、傘下のシチズンマシナリーの製品の日本、北米市場での拡販を図る。
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