LED以外にもコスト削減策提案 コーウェル・宮本健治社長
発光ダイオード(LED)電球は、従来の電球と比べ消費電力を大幅に抑えて二酸化炭素(CO2)の排出を削減する。地球環境に優しいことから東日本大震災以降、急速に普及が進む。一方、導入コストは工事費が必要で高額になりがちだ。コーウェルは中小事業者にも導入しやすいよう、初期費用不要のレンタル事業を展開している。宮本健治社長は「LED以外にも事業を広げ、顧客に喜ばれるコストダウン策を示す」と話している。
--いつ解約しても違約金なしのLEDレンタルの仕組みを業界で初めて導入した
「もともと大手流通チェーンなどにLEDの販売とレンタルを手掛けていたが、2011年3月の東日本大震災を機に、今のビジネスモデルを始めた。震災直後は計画停電で街全体が暗くなった。LED化すれば街が明るくなると思い、商店街の店舗を中心に飛び込み営業をした。しかし普及は思うように進まなかった。そこで初期費用不要で、いつでも解約できるビジネスモデルを考えついた。当時、他社は5年契約で途中解約をすると違約金が必要だった」
--コスト削減効果は
「例えば都内の居酒屋チェーン店の場合、月の電気代が4万1067円だった。LED化によって電気代が5225円に抑えられ、レンタル代2万1872円と合わせても、以前と比べ1万3970円が節約できた」
--飲食業でのLEDレンタルシェアでトップだ
「商品の70%を自社で企画製造している。このため多業種向けのLEDを取りそろえている。例えば飲食業の店舗は、昼と夜の営業時には明るさを変えるので、照度を調節できる照明が必要とされる。従来では難しいとされていたが、高級感や演出性を求めるニーズに対応して、その都度開発してきた」
--海外展開について
「タイに進出した日系小売業からのニーズが高まっている。他の物価と比べて電気代が割高なので経費負担が重く、節電をするメリットは大きい。現地法人の設立を予定し、タイ人留学生を社員として採用した」
--照明以外の商品展開は
「2万店舗以上の既存顧客に対して昨年11月から節水コマをレンタルしている。LEDでの実績を強みに、売り込みをかけた顧客のうち80%以上から採用されている。16年1月期は売上高42億円を見込んでいる。今後は空調機、冷蔵庫など、大幅な節電に役立つ機器のレンタルも始めることで、来期は同46億円を予想している」(佐竹一秀)
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【プロフィル】宮本健治
みやもと・けんじ 埼玉県立川口工高卒。1988年東京リコー販売(現リコージャパン)入社。91年父の会社に入社ののち独立し、2000年AMIXを設立し社長就任。09年2月コーウェルを設立し、現職。46歳。福岡県出身。
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【会社概要】コーウェル
▽本社=東京都豊島区池袋2-43-1 池袋青柳ビル2階
▽設立=2009年2月
▽資本金=7889万円
▽従業員=98人(16年3月1日時点)
▽売上高=42億円(16年1月期見込み)
▽事業内容=LEDの販売・レンタル、店舗の内外装の企画・施工管理など
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