KDDI・田中孝司社長 長期利用者向け割引プラン、方向感まだ出ず

直球緩球
KDDIの田中孝司社長(伴龍二撮影)

 --携帯電話販売店では「実質0円」での端末販売が2月から姿を消した。影響は

 「2月から、(携帯販売の)世界が変わった。来店客数は前月比14%落ち、販売台数も2割落ちた」

 --3月に始めたデータ使用量1ギガバイトまでの低料金プランの反応は

 「1ギガバイトプランを使う人はシニアなどだ。学割対象者はがんがん使うので見向きもしない。ガラケーからスマートフォンにシフトする人はもう多くない」

 --昨夏に「2年縛り」の契約で自動更新しないプランを検討する方針を示したが、5月に実施する施策は更新月の延長だけに後退した

 「更新月の延長だけでは利用者が満足しない。2年たてば自動更新にならないようにする。しかし、自動更新をやめました、とするだけでは面白くない」

 --利用者にとって魅力ある料金プランとの“抱き合わせ”にする考えなのか

 「そうだ。時期は決まってない。内容やマーケット、システムなどに横串を刺して進めなければいけないので、なかなか決めにくい」

 --実施は来年度からか

 「できるだけ早く発表したいが、実施は来年度中になるだろう」

 --NTTドコモやソフトバンクも同様の施策をとるとみられる。業績の良い今、先陣を切る考えはないのか

 「料金プランはあとで(業績に)効いて来る。ここは慎重にならざるを得ない」

 --総務省は携帯電話の長期利用者への優遇策も求めている

 「考慮すべきポイントだが、当社は長期利用者向けにギフトを提供している」

 --長期利用者向け割引プランは検討しないのか

 「ノーアイデアだ。長期利用者向けの割引制度は、将来の減収を今、確定することにほかならない。検討はしているが、どうしていいのかなかなか方向感が出ていないのが実情だ」

(芳賀由明)

 たなか・たかし 京大院修了。昭和56年国際電信電話(現KDDI)。平成19年取締役執行役員常務、22年同執行役員専務を経て、22年12月から社長。59歳。大阪府出身。