東芝が白物家電を中国・美的に売却 数百億円規模で最終調整

 
中国江蘇省南京の家電売り場に並ぶ美的集団の炊飯器=2015年11月(共同)

 経営再建中の東芝が、洗濯機や冷蔵庫といった白物家電事業を中国家電大手の美的集団に売却する方向で調整していることが15日、分かった。売却額は数百億円規模になる見通し。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業によるシャープ買収にもみられるように、劣勢に回った日本の家電事業が、アジア企業の主導で再編されるケースが目立ってきている。

 白物家電を手掛ける子会社、東芝ライフスタイルの株式の大半を売却する。美的は東芝が販売網を持つ日本や東南アジアに販路を広げ事業拡大を目指す。両社は従業員の雇用やブランドをめぐる詰めの協議を急ぐ。

 東芝は15日、「他社との事業再編を視野に入れ、協議を行っているのは事実だが、現時点では個別企業と合意した事項はない」とのコメントを発表した。

 当初、東芝の白物家電事業は、官民ファンドの産業革新機構主導でシャープと統合する案が検討されていたが、シャープが鴻海傘下で再建を目指すことになり、海外メーカーへの売却に傾いた。2012年にはパナソニックが、買収した三洋電機の白物家電事業を中国のハイアールに売却している。

 東芝ライフスタイルの15年4~12月期連結決算の営業損益は356億円の赤字。家電は、製造技術の高度化などで機能面での差別化が難しくなり、低コストで大量につくる新興国メーカーとの競争に勝てなくなった。東芝はパソコン事業も富士通、VAIO(バイオ)と統合を検討しており、両不採算事業を切り離して経営再建に道筋をつけたい考え。また、東芝は18日に17年3月期の事業計画説明会を開催することを発表。同日までに医療機器子会社、東芝メディカルシステムズの売却でキヤノンと正式に合意する見通しだ。