VR元年に“本命”ソニー登場 米社より低価格、普及ペースに注目
市場拡大が期待されている仮想現実(VR)技術に関して、企業の取り組みが加速している2016年は「VR元年」ともいわれる。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が、価格と発売時期を発表した「プレイステーション(PS)VR」は、VRの“本命”の一つとみられており、普及がどの程度のペースで進むかが注目される。
端末の日本での希望小売価格4万4980円は、つないで使用するゲーム機「PS4」本体の価格を1万円上回る。しかし、高性能でPSVRのライバルになるとみられる米オキュラスの端末は税込みで8万3800円。
ゲーム雑誌「ファミ通」を発行するカドカワの浜村弘一取締役は、「端末によっては、VRを楽しむのに高機能のパソコンが必要で、合わせて20万~30万円かかる場合もある。それを考えると、PSVRが最も普及型だ」と指摘する。
VRの端末では、SCEとオキュラス以外に、台湾のスマートフォンメーカーHTCなどが手掛けるものも開発中。グリーは今月10日、HTCとVR事業での業務提携で合意したと発表。グリーが昨年設立したVRコンテンツの開発専門スタジオとHTCが協力して、国内のテーマパークやアミューズメント施設にVRが体験できる設備などを提供していく方針だ。
手軽に楽しむ端末としては、スマートフォンを装着して使う韓国サムスン電子の製品もある。
同社は今月12日、東京・渋谷でVRを使ったコンサートを開催。屋上で行われたコンサートを、同じビルの第2会場で視聴。約50人の観客は交代でVR端末を装着し、音楽に合わせて振動する特製の椅子で、360度見回せる臨場感を楽しんだ。
三菱地所と組み、VR端末を使ってマンションの「VR内覧」も行うサムスン。関係者は「コンテンツ次第でさまざまな需要を取り込むことができるVRには、大きな可能性がある」と強調している。(高橋寛次)
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