ソニーを救えるか?復活のカギ握るプレステVR 業績を牽引するゲーム事業

 
米サンフランシスコで行われた「プレイステーションVR」のイベント。ソニーの業績を引っ張ることも期待される(ロイター)

 「プレイステーション(PS)VR」の価格などを発表したソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が担うゲーム事業は、ソニー全体の業績を牽引(けんいん)している。PSVRの成否は、経営不振からの脱却途上にあるソニーの“復活”にも影響しそうだ。

 ソニーの2016年3月期連結業績見通しでは、全体の営業利益3200億円のうち、ゲーム事業が850億円と3割近くを占める。金融以外の7部門では稼ぎ頭だ。据え置き型ゲーム機「PS4」の世界販売が好調なうえ、PS4を通したゲームや映像コンテンツのインターネット配信で収益の安定性も増している。

 前期まではスマートフォンのカメラなどに使われて画像処理を行う半導体「画像センサー」のデバイス部門が大きく貢献してきたが、「iPhone(アイフォーン)」の減産などで需要が急減。同部門の15年10~12月期は営業赤字となっており、ゲーム事業への期待は相対的に高まる。

 ソニーの吉田憲一郎副社長兼最高財務責任者(CFO)は2月の会見でPSVRについて、「新しいエンターテインメント体験を提供したい」と述べた。