伊方原発1号機廃炉 原発新増設の議論避けられず

 

 四国電力が伊方原発1号機(愛媛県)の廃炉に踏み切ったことを契機に老朽原発の廃炉が加速すれば、政府が2030年度の望ましい電源構成で示した原発比率の目標「20~22%」達成のハードルは上がりそうだ。原発を今後も継続して活用するには、運転延長だけでなく新増設の議論に正面から向き合う必要がある。

 「四国電力が総合的に判断して決定することだ」。

 林幹雄経済産業相は25日の記者会見で言葉を濁した。4月の小売り全面自由化で電力市場は競争が激しくなる。伊方1号機のように出力が小さく費用をかけて運転延長しても収益への寄与が少ない原発は、切り捨てられる可能性がある。

 これまでに廃炉を決めた原発も比較的規模が小さく、日本原子力発電敦賀1号機(福井県)=35.7万▽関西電力美浜1号機(福井県)=34万、2号機=50万▽中国電力島根1号機(島根県)=46万▽九州電力玄海1号機(佐賀県)=55.9万になっている。事業者によると、「採算ラインは出力が80万キロワット」という。

 原則40年と定めた原発の運転期間を厳密に守れば、30年頃には国内43基の半分程度が廃炉になる。政府は世論に配慮して原発の新増設に関する議論を避けており、電源構成比の20~22%実現には老朽原発10基程度の運転延長が必要と指摘される。廃炉が増えれば達成は危うい。

 このため経済産業省の審議会でも有識者から新増設を求める声が出始めた。16年度にも改訂に向けた議論を始める中長期的な政策指針「エネルギー基本計画」では、これ以上、新増設の議論を避けて通れない。