東電、原発凍土壁きょう先行凍結 福島第1の汚染水対策実施

 
福島第1原発の凍土遮水壁の配管=2月

 東京電力は30日、福島第1原発の汚染水対策「凍土遮水壁」で、建屋海側(東側)などの先行凍結を31日に始める考えを政府に伝えた。原子力規制委員会がこの日の定例会合で先行凍結を認めた。建屋の周囲約1.5キロを取り囲む凍土壁の凍結が完了するまでに8カ月かかる見込み。

 高木陽介経済産業副大臣は福島県いわき市で開かれた廃炉・汚染水に関する会議後、「汚染水対策の最後の大きなステップ。安全を最大限重視していく」と述べた。

 東電は建屋海側の凍結を先行させ、山側(西側)を段階的に凍らせる方針で、工程を3つに分けている。規制委が認めたのは工程の第1段階で、海側全面と山側の大部分が対象。東電は残りの部分についても今後、実施計画を申請する。

 田中俊一委員長は会合で「建屋への流入水を減らすことが本質的な解決ではない。最終的には建屋の水を枯らす必要があり、今後の道筋に向けてデータを取ってほしい」と注文を付けた。

 凍土壁は1~4号機を取り囲むように埋めた配管に冷却材を循環させて地盤を凍らせ、建屋に入り込む地下水を遮って汚染水の増加を抑えるのが目的。

 しかし建屋周囲の地下水位が下がり過ぎると、建屋内の汚染水の水位と逆転し、汚染水が地中に漏れ出す恐れがある。地下水位が下がり過ぎた場合、凍結中止や建屋周辺の井戸への注水で対応する。

 凍土壁の建設には約350億円の国費が投入され、2014年6月に着工し、先月設備工事が終わった。