郭会長、シャープ再建に自信 鴻海傘下入り契約締結「短期間で黒字化」
記者会見中、顔を見合わせ笑顔の鴻海精密工業の郭台銘会長(左)とシャープの高橋興三社長=2日午後、堺市
経営再建中のシャープと、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は2日、鴻海がシャープを買収する契約を結んだ。シャープは3888億円の出資を受け、日本の電機大手で初となる外資傘下での復活を目指す。両社は共同運営する堺市の工場で記者会見を開き、鴻海の郭台銘会長は「短い期間で黒字化できる」と強調、2~4年程度での再建に自信を示した。
郭会長は「頭の中には(再建の)明確なロードマップがある」としたが、再建計画の具体的な内容には言及しなかった。シャープ社員の雇用に関しては「なるべく全員残ってもらえるようにしたい」と述べた。鴻海は4月末までに新経営陣のうち最大3分の2の候補者を指名する見通しだ。
シャープは出資を受け、独自技術を持つ液晶や次世代パネルの有機ELといったディスプレー関連に投資を集中し、競争力の回復を図るとともに、鴻海の生産能力や世界的な販売網、顧客基盤などを活用して再建を急ぐ。
シャープの高橋興三社長は「両社の強みを融合させる。大きな相乗効果が発揮できる」と述べ、鴻海傘下に入る意義を強調した。
シャープは2月25日に鴻海の傘下入りを決めたが、財務リスクをめぐって交渉が長期化。出資額は当初予定から約1000億円引き下げられた。今回の買収契約や新経営陣の顔ぶれについて株主総会で承認されれば、鴻海は10月上旬までに出資を終える。ただシャープ株式の価値は大幅に下がるため、既存株主から反発の声も上がりそうだ。
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