東電、関電も予備率6%以上 今夏の電力需給見通し 新規参入への切り替えで余力

 

 沖縄電力を除く大手電力9社は8日、今夏の電力需給見通しを発表した。節電の定着や新規参入の電力会社への切り替えで、最大需要に対する供給余力を示す予備率は最低限必要とされる3%以上を確保。再稼働したばかりの高浜原発(福井県)が運転停止した関西電力も6%台の予備率を確保できる見込みだ。経済産業省は家庭や企業に無理のない範囲で節電の協力を求め、数値目標の設定は4年連続で見送る。

 9社の予備率を8月で見ると、北海道電力が20・2%と最も高く、東京電力ホールディングス(HD)は8・1%、最低の四国電力も5・8%を確保した。7月は九州電力が18・7%、東電HDは6・4%、東北電力は4・3%だった。全社とも電力会社間の融通は見込まない。

 大津地裁の仮処分決定による高浜原発の運転停止で供給力の悪化が懸念された関電は電力小売りの全面自由化に伴う顧客の契約離脱による需要の減少で、予備率が昨夏想定の3・0%から改善する。平成25年度並みの猛暑を想定した8月の最大需要は昨夏想定より224万キロワット少ない2567万キロワット。362万キロワットの節電分に加え、219万キロワットの契約離脱分を見込んだ。

 一方、供給力は2742万キロワットを確保できるとした。原発の再稼働は織り込まず、稼働率増加によるトラブルで停止も相次ぐ火力などで供給力を賄う。

 政府は4月中に議論を進め、夏の節電対策をまとめる方針だ。