AI活用する産業ロボで業界標準めざす ファナック、米シスコなど4社が組む

 
記者発表するファナックの稲葉義治社長(中央)ら=18日、東京都港区(宇野貴文撮影)

 ファナック、米シスコシステムズ、米ロックウェルオートメーションと人工知能(AI)分野のベンチャー、プリファードネットワークスの4社は18日、産業ロボット関連事業で協業すると発表した。

 工場で稼働する産業ロボをネットワークで接続して制御し、AI技術を活用して、自律的な判断ができるようにするシステムを開発。今年の秋~冬に、自動車メーカーを中心に製造業界に提供を開始し、2~3年後に売上高を数百億円規模にまで成長させたい考えだ。

 ファナックとシスコはすでに、工場で稼働する産業ロボをネットワークに接続して遠隔監視できる「ゼロダウンタイム機能(ZDT)」を共同開発している。稼働状況を解析し、故障を予知して生産・製造ラインの停止・中断を回避できるようにする仕組みだ。

 これをAI技術で進化させ、産業用ロボットがプログラムどおりに稼働するだけでなく、人間のように学習して作業の習熟度を高め、自律的に最適な判断を行い、複数のロボが互いに協力し合ったり、工程変更などを行ったりすることができるという。

 労働人口の減少や人件費の高騰を背景に、産業界では、工場の高効率化・自動化システムの需要は高まっている。

 ファナックの稲葉善治社長は「今後も参画企業を増やし、デファクト・スタンダード(事実上の標準=業界標準)になるよう頑張りたい」と語った。