大手銀5グループ、最終益は2年連続減 16年3月期
三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手銀行5グループの2016年3月期連結決算は、最終利益の合計が2兆6000億円規模となり、2年連続で減少する見通しとなった。金利低下で国内貸し出しの利ざやが縮小したほか、業績拡大の牽引(けんいん)役だった海外事業も新興国経済の減速が響いて苦戦した。
日銀のマイナス金利政策で一段と金利低下が進む中、銀行間の金利競争は激化している。減少傾向にあった与信費用も、貸出先の業績悪化で増えつつある。17年3月期はさらなる業績の下振れが避けられない情勢で、新たな収益源の育成が急務となっている。
最大手の三菱UFJは、15年3月期は最終利益が1兆337億円と過去最高だったが、16年3月期は9500億円程度に減少する見通しだ。原油安で融資している海外のエネルギー関連企業の業績が悪化し、貸し倒れ引当金を計上したことが響いた。
三井住友フィナンシャルグループは、出資する海外の銀行の株価下落で減損処理を迫られ、前期より1割程度少ない6000億円台半ばから後半の水準にとどまるとみられる。みずほフィナンシャルグループは取引先との持ち合い株の売却などで増益を確保し、6300億円とした業績予想をわずかに上回る方向だ。
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