「進研ゼミ」会員流出に歯止めがかからず ベネッセHD、82億円の最終赤字

 

 ベネッセホールディングス(HD)は6日、2016年3月期の業績予想を下方修正し、最終損益が82億円の赤字(従来予想は38億円の黒字)に転落する、と発表した。最終赤字は2期連続。14年7月に発覚した個人情報漏洩(ろうえい)問題で「進研ゼミ」の会員流出に歯止めがかからず、将来の利益を見越して計上した「繰り延べ税金資産」を取り崩すため。会計上の税金負担は約95億円膨らむ見通しだ。

 16年4月の進研ゼミの会員数は前年同月比10.5%減の243万人と、約28万人も減少した。収益力の低下は避けられず、連結子会社のベネッセコーポレーションが計上していた繰り延べ税金資産を取り崩す。

 会員の流出に対応して販売費を当初計画よりも上積みしたため、本業のもうけを示す営業利益予想も前期比63%減の109億円(従来予想は135億円)に下方修正した。