後継者難に対応、中小の食品企業を活性化 ヨシムラ・フード・ホールディングス

 

 □ヨシムラ・フード・ホールディングス 吉村元久CEO

 国内製造業のうち、食料品製造業は安定的に30兆円以上の市場規模があり、事業所数、従業員数ともに最大の業種となっている。一方、経営者の高齢化と後継者難によって、企業数は減少傾向にある。中小食品関連企業を傘下に収め、活性化させる事業を手掛けるヨシムラ・フード・ホールディングスの吉村元久最高経営責任者(CEO)は「優れた商品や技術力を持つ中小食品会社をグループのシナジーで再生させ、地方経済を活気づける」と話している。

 --中小の食品関連会社8社を連結子会社としている

 「独自の商品力や販売力を持つことで、ニッチな分野でも高いシェアを持ち、ブランド力を持つ中小企業は多い。これらの企業に投資して直接経営に携わり、全国各地の中小食品企業の再生・活性化を図っている。『楽陽食品』はチルドシューマイの生産量国内トップシェア、『ダイショウ』はピーナツバターのパイオニアというように、各社各様の強みがある」

 --どのように傘下企業を運営しているのか

 「機能別に統括することで相互補完し、成長させるプラットフォームを構築している。各社は強みと弱みがそれぞれある。例えば商品力はあるが販売力がない、品質管理は得意だが製造能力に欠けるなど。それぞれの長所によって短所を補う。生産は当社の工場責任者が全工場を把握して最適な生産体制を構築する。販売に関しては営業統括責任者が各社の販路を活用して、売り上げ拡大を目指す。各分野のスペシャリストが会社の枠を超えて、グループ全体でそれぞれの強みを有効活用している」

 --東証マザーズに上場した

 「日本の食品に対する評価は世界で高く、後継者難による休業・廃業は産業界にとって損失だ。しかし後継者難に悩む経営者に、会社を売却する発想がない。M&A(企業の合併・買収)という選択肢があることを知ってもらうため、知名度を上げようと3月、東証マザーズに上場した。経営に参画すると、売却することなく長期にわたって運営する。今後、地方の金融機関、税理士などにも働きかけてPRしていく。投資家には当社の株を持つことで、全国の中小企業を応援してもらいたい」

 --今後の成長戦略について

 「プラットフォームを強化し、グループでシナジーの拡大を図る。事業継承を求める中小食品企業は増加することが予想され、M&Aを加速させて経営再生・活性化を図ることで成長させる。既存の事業と傘下に収めた事業とで、車の両輪のように中長期的に成長させる」(佐竹一秀)

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【プロフィル】吉村元久

 よしむら・もとひさ 一橋大商卒。1988年大和証券入社。モルガン・スタンレー証券を経て、2008年3月ヨシムラ・フード・ホールディングスを設立し現職。52歳。北海道出身。

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【会社概要】ヨシムラ・フード・ホールディングス

 ▽本社=東京都千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル18階

 ▽設立=2008年3月

 ▽資本金=10億5128万円

 ▽従業員=515人(2016年2月末時点)

 ▽売上高=128億3300万円(2016年2月期)

 ▽事業内容=中小企業をグループ化し再生・活性化するビジネス