「奇跡の水着」拡販 “水泳王国ニッポン”黒子役に 2年で24個の世界記録
水泳用品メーカーのフットマーク(東京都墨田区)は競泳用水着事業を強化する。同社はリオデジャネイロ五輪の200メートル平泳ぎに出場する金藤(かねとう)理絵選手を支援しており、五輪効果によってライセンス生産する競泳用「ジャケッド」ブランドの知名度を向上。ジュニア市場を中心に攻勢をかける。ジャケッドはイタリアの競泳用水着ブランド。2008年の会社設立以降、わずか2年で24個の世界記録を樹立したことから「奇跡の水着」と呼ばれており、拡販によって“水泳王国ニッポン”の黒子役を目指す。
水中を泳ぐ魚のように、水着の表面に何もなければ抵抗がなくなるという仮定をもとに、パーツを減らすことによって、最小限のつなぎ目の凹凸のない形状としたのが特徴。速く泳げるよう体の動きに追従し、何も着ていないかのような着心地を体感できる。金藤選手は「これまでの水着に比べて伸縮性が高く、着やすさ、動きやすさが格段に向上している」と絶賛している。
フットマークは主に学校体育用やフィットネス用などの水泳用品を製造している。競泳用への進出を模索していたところジャケッドとの提携話が持ち込まれ、10年からライセンス生産に取り組むようになる。
日本でのジャケッドのブランド浸透のため、11年から金藤選手を水着などの用具提供と活動費の支給でバックアップするようになる。水泳販売部の小林智也部門長が、金藤選手のコーチを務める加藤健志さんの教え子だったことが縁となった。
金藤選手は4月の日本選手権女子200メートル平泳ぎで自身の日本記録を更新して優勝し、08年の北京以来2回目の五輪出場を決めた。ここまでの道のりは決して順風満帆ではなかった。12年のロンドン五輪出場を逃したあとは何度も引退を考えたが、それでも「フットマークの社員の顔が浮かんで、ここでやめるわけにはいかない」と思い直して栄冠を手にする。
同社では売上高の65%を水泳用品が占めている。幅広い用途の水泳用品を取りそろえているが、競泳用は参入して数年しかたっていないので浸透していくのはこれからだ。三瓶芳(さんべかおる)社長は「五輪で金藤選手に活躍してもらい、ジャケッドの認知度を高めたい。競泳用は大手メーカーが市場を占めているので、まずはジュニア用から広めていく」と話している。
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