依頼と引受人マッチングサイト ケアフルの介護保険適用外サービス
福祉サービス事業のケアフル(東京都中央区)は、高齢者向け生活サポートのウェブマッチングサービス「生活サポート・クラウドサービス ケアフル」を夏をめどに本格運用する。介護保険適用外のサービスを利用したい人と、働きたい人の双方をマッチング。利用者は他より割安で、働く人は自分の都合のよい時間を活用できる。首都圏を中心に展開し、初年度は1万人の会員獲得を目指す。
介護や生活支援を依頼したい人と、仕事をしたい人は無料で会員登録できる。仕事を依頼する人は、ニックネームと何をしてほしいかを書き込む。一方、仕事をしたい人は、家事や掃除、介護など実際に提供できるサービス、希望する報酬を記載し、身分証明書を写真ファイルで送る。その後、面談か電話で本人確認をした上で登録が完了する。
双方で希望日時や仕事内容、報酬などが一致すれば、当日仕事をしてもらう。働いた人は終了後に報告書を作成してサイト上で報告する。承認されれば事前に依頼者から同社に支払われていた金額から25%の手数料を差し引いた額が報酬となる。
介護の必要な人はまず、食事や入浴、トイレなどの介護のほか、調理や洗濯、掃除などの生活支援を介護保険の適用範囲内で受ける。しかし適用外の庭の草むしり、電球の交換、窓ふき、ペットの世話、話し相手などは、一般的に1時間5000円以上かかるので負担が重く利用しにくかった。
同社では全国に50万人以上いるとされる仕事をしていない潜在介護福祉士を活用するため同マッチングサイトを開設した。介護経験者のほか、主婦、学生などが自分の都合に合わせて働くことができる。また依頼者との直接契約なので間接経費がかからず、高単価の報酬を得られる。
利用者からは「1回1時間から自由に頼めるから安心できる」、働く人からは「子育てをしながらでも働ける」「自分の仕事内容によって自由に時給を決められるからやりがいがある」といった反響が寄せられている。
今後は全国各地の介護会社を対象とした法人会員獲得に力を入れる。手数料を10%に抑えることで加入を促し、地方での介護環境を充実させる。法人会員からは「営業をしなくても依頼が来る」と反応は上々だ。
久保田亮一社長は「介護人材は全国的に不足していて困っている人がたくさんいる。マッチングすることで多くの人が幸せになれるサービスに育てたい」としている。
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