旭化成、18年に新工場棟 リチウム電池セパレーターの生産増強

 
旭化成が生産を増強するセパレーター「ハイポア」

 旭化成は25日、リチウムイオン電池の主要部材で、正極材と負極材を隔ててショートを防ぐセパレーターの生産を増強すると発表した。約60億円かけて守山製造所(滋賀県守山市)に新工場棟を建設し、2018年上期に稼働させる。EV(電気自動車)やスマートフォンなどの電子機器向けに、リチウム電池の需要が拡大しているのに対応する。

 生産を増強するのは「ハイポア」の名称で販売している湿式のセパレーター。増強により、守山製造所の年間生産能力は約6000万平方メートル増える。同製造所の既存設備や宮崎県日向市のハイポア日向工場、昨年夏に約2600億円で買収した米ポリポアを合わせた全体の能力は約6億1000万平方メートルとなり、うち約4億1000万平方メートルを湿式が占めることになる。

 旭化成はセパレーターの世界最大手。同社はハイポア日向工場でも約50億円を投じて約6000万平方メートルの能力を持つ新棟を建設し、今年春に稼働させたばかり。20年にはポリポアを含む全体の能力を11億平方メートルまで拡大し、期間中に150億~200億円を投じる計画だ。