タカタ、再建へ出資者探し 米投資ファンドKKRが支援検討

 

 欠陥エアバッグのリコール(回収・無償修理)問題に揺れるタカタが経営再建に向け、新たな出資者を探すことが26日、分かった。再建案の取りまとめを依頼している外部専門家委員会が同日、米投資銀行ラザードを通じて出資者を募ると発表。タカタの資金支援に向け米投資ファンド大手コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が出資を含めた検討を進めていることも同日明らかになった。

 タカタは今後、出資者選びを本格化する。ただ取引先の自動車メーカーの同意などが必要で、交渉が難航すれば、タカタの経営危機の深刻化も避けられない。

 タカタの2016年3月期連結最終損益は130億円の赤字で、2年連続の最終損失となっている。さらに米道路交通安全局(NHTSA)が今月、米国でのタカタ製エアバッグのリコール対象を増やすと発表したことで、全世界でのリコール対象は1億個に達する見通し。タカタと自動車メーカーの費用負担は総額1兆円規模にのぼる見込みだ。タカタと自動車メーカーは費用の分担について協議しているが調整は進んでいない。

 タカタの野村洋一郎取締役は今月11日の決算会見で、外部専門家委員会がつくる再建案について「秋頃までにまとまる」との見通しを示した。ただタカタの3月末の現預金は537億円、自己資本は1218億円にすぎず、支援交渉がまとまらなければ、債務超過に陥るリスクも強まる。