介護スタッフの作業を大幅軽減 運動機能を自動測定 キヤノンITSメディカル

 
赤外線で「開眼片足立ち」などを簡単にチェック

 キヤノンITSメディカル(東京都品川区)は、介護予防のソリューション事業に本格参入した。第1弾として赤外線によって自動的に運動機能を測定するシステム「ロコモヘルパー」を開発。キヤノンマーケティングジャパンと連携しながら介護予防サービス事業所を中心に販売を行い、今後3年間で1000施設への納入を目指す。

 介護スタッフは高齢者の健康状態を把握するため、開眼片足立ちや椅子の立ち座りなどの運動をストップウオッチやメジャーを活用して定期的に測定。高齢者やその家族に運動指導を行っている。測定後は、その結果を評価・改善レポートとして作成する必要がある。

 ロコモヘルパーは一連の作業の軽減化を図るために開発した。利用者は運動測定のために特別なセンサーを着用する必要はなく、運動による骨格の動きから歩行速度などを自動測定し評価・記録する。

 個別メニューも組み立てやすくなった。例えば骨格を上から見た映像に変換し頭の軌跡を追跡する技術も導入してため、左に傾いていることが判明すれば左足の筋肉を鍛えるプログラムを効率的に作成できる。

 また、測定記録を紙やパソコンなどに手入力しレポートを作成していたが、一連の作業も自動化できるようになる。

 新システムの価格は60万円から。主なターゲットとなるのは介護予防サービス事業所だが、スポーツクラブや多機能型温泉などにも事業展開し、3年間の累計で10億円の売り上げを見込んでいる。また、ロコモヘルパーを通じて蓄積した情報を踏まえ、介護だけでなくリハビリなど幅広い領域への応用も検討していく。

 厚生労働省の2013年の調査によると、骨折・転倒や関節疾患など運動器機能症候群(ロコモティブシンドローム)が原因となって要支援になった比率は38%、要介護の比率は19%に達する。健康寿命を延ばすためにも、ロコモの知名度を向上させることが課題となっている。