創業者リスペクトの「記念館建設」も怪しい? 鴻海はシャープとの約束守るのか  (1/4ページ)

2016.5.29 07:10

社名の由来となったシャープペンシルの製作風景の再現ジオラマ=奈良県天理市のシャープミュージアム(織田淳嗣撮影)

社名の由来となったシャープペンシルの製作風景の再現ジオラマ=奈良県天理市のシャープミュージアム(織田淳嗣撮影)【拡大】

  • 早川徳次直筆の書や伝記が飾られているシャープミュージアム=20日、奈良県天理市(織田淳嗣撮影)

 経営再建中のシャープを買収する台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業が、シャープ創業者、早川徳次氏(1893~1980)の記念館をつくることを検討しているという。今のシャープ本社(大阪市阿倍野区)近くに設立する計画なのだそうだが、本社は堺市の堺工場に移ってしまう。一方で同社の歴史や技術などを学べる「シャープミュージアム」(奈良県天理市)を、鴻海がどう処遇するかも懸案になってくる。いずれも国内有数の家電メーカーに育てた早川氏を顕彰する施設で、趣旨がダブる。それでも、鴻海の意向に従うしかないのがシャープの現状だ。(織田淳嗣)

 栄光の歴史

 ミュージアムは液晶パネルを製造する天理工場の敷地内にあり、早川氏が亡くなった翌年の昭和56(1981)年にオープン。小学校の社会科見学などに利用され、これまでに累計60万人が訪れた。予約制で、無料で展示品の案内が受けられる。

 館内入り口で、いかめしい表情の早川氏のレリーフが出迎える。早川氏は大正元(1912)年にシャープを東京都内で創業。社名の由来となったシャープペンシルの製造工程の再現ジオラマが展示コーナーへと誘う。

関東大震災で家族と工場を失った早川氏は大阪で再起し…

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