関東大震災で家族と工場を失った早川氏は大阪で再起し、大正14年には国産第1号となる「鉱石ラジオ」を開発。研究に汗を流す当時の早川氏の模型も登場し、創業者のたくましさがうかがえる。
家電の展示は、日本の家電の歴史そのものをたどるものだ。日本初の白黒テレビ(昭和28年)、カラーテレビ(同35年)、国内初のターンテーブルを採用した電子レンジ(41年)、世界初の液晶電卓電卓(48年)など、シャープが時代をリードしてきたことを裏付けるものばかりだ。
一方でユニークな製品も数多い。シェーバーとドライヤーを合わせた「ひげドラ」(同53年)をはじめ、電卓機能が信じられない人のためにそろばんと一体化して検算できるようにと開発した「ソロカル」(同)などなど。また商品化はされなかったが、左右両側から視聴のできる「両面テレビ」もある。ミュージアムは、早川氏が追いかけ続けた「創意」にあふれた気風を示している。