環境貢献の技術をアピール 「東芝グループ展」信頼回復、従業員士気高揚も
「東芝グループ環境展」で披露されたセルフ式レジスター=9日、川崎市
東芝は9日、環境配慮型の商品や環境保全活動を紹介する「東芝グループ環境展」を川崎市で開いた。不正会計問題で厳しい目が向けられる中、世界トップレベルの技術による環境社会への貢献をアピールし、信頼回復につなげたい考えだ。10日まで開催。
同展は今年で25回目。東芝が成長の3本柱と位置づけるエネルギー、社会インフラ、半導体の各事業で、高効率の火力発電システムや、再生可能エネルギーと水で水素を作り出し、それを利用して電気とお湯を供給する「自立型水素エネルギー供給システム」といった業界トップの主要環境性能を持つ製品群「エクセレントECP」などが紹介された。
会場では、スーパーなどの小売店で買い物客が自ら商品のバーコードをかざし、料金を支払うセルフ式レジスターの新製品も展示。従業員の人手不足に対応し、省スペースにも役立つという。また、エアコンのコンプレッサーの塗料を水溶性から粉体に方式を切り替え、年間6.4トンの塗料削減などの効果がある技術も披露された。
不正会計問題をうけ、開催の見送りも検討されたというが、環境活動の担当役員を務めた経験もある室町正志社長が決断。「モチベーションが下がっている従業員を元気にしたいという狙いもある」(実平喜好環境推進室長)という。
東芝は2015年度にエクセレントECPの売上高が2兆7500億円、温室効果ガス総排出量は310万トンと目標を達成。しかし、東京電力福島第1原発事故後の原発事業の伸び悩みなどでエネルギー関連製品の売上高は目標を達成できなかった。
医療機器、白物家電事業の売却の影響で、16年度計画のエクセレントECPの売上高は2兆円にまで下げた。
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