ガス管網、国主導で整備へ 小売り自由化後の競争環境支援

 

 経済産業省は16日、2017年4月の都市ガス小売り自由化に向けた有識者会議を開き、広域的な流通に必要な大都市間を結ぶガス管網を国主導で整備する指針を示した。専門家や事業者が参加する中立的な委員会を設置して整備計画を策定。国は整備にかかる費用の支援なども検討する。

 指針では、国やガス供給事業者、ガスを利用する工場など需要家がパイプラインのルートを提案できる仕組みを作るとした。

 国は中立的な専門家も交えた委員会を設置し、ルート案の検証や整備費用の負担割合を決め、計画を策定する。ガス管の整備を担当する民間事業者に対し、費用の支援や規制緩和なども検討している。

 これまでのガス管は地域独占の都市ガス事業者がそれぞれ敷設していたため、東京-名古屋といった大都市間が結ばれていないなど、広域での整備が進んでいなかった。限られた地域しか利用できないため、自由化による新規参入の大きな障壁となるとされていた。

 ガス管網の整備が進めば、市場競争が活発になり、料金などが安くなることが期待できるほか、災害時でもガスを融通する態勢ができ、安定供給にもつながるなどのメリットがある。