液晶売却条項に疑念続出 「出資止まるのでは」
株主総会詳報・シャープ(8)完株主からは、シャープが鴻海と交わした契約のうち重要な部分について鋭い質問が浴びせられた。シャープ側に何らかの問題が発生して出資が実現しなかった場合、鴻海は液晶や次世代型の有機ELなどのディスプレー事業を「公正な価格で購入できる」との条項だ。
ある男性株主は「すでに水面下で銀行、鴻海、シャープで(売却の話が)できているのでは」と質問。高橋興三社長が「それはございません」と否定すると、「この総会で承認すると、株主の了解を得ているから売却してもいいということになる。話がないなら(条項を)削除してください」と詰め寄った。
橋本仁宏取締役が「シャープにとって一番重要なのは出資を完了させること。全力で真(しん)摯(し)に協議している。売却条項は出資が完了しない場合」と説明したが、男性は「シャープが飲めない条件を押し付けられれば出資が止まる。(売却に向けた)話はかなり進んでいるのでは」と納得しない。
経営陣の表情がこわばり、橋本取締役は「そういう事態は進んでおりません。出資完了に向けて全力で対応しています」と強い口調で再び否定した。
会場からは、ほかの株主からも「早く、全額や!」などと声が上がる。高橋社長も「全額出資ということでやっている。独占禁止法の審査があと1カ国というところまで進んでおり、(全額出資まで)そう時間はかからない」と説明した。
質問した男性は「もしこの条項通りになったら、どう釈明するのか」となおも引き下がらない。
高橋社長は「この条項は、シャープが(提携を)やめたいときのほか、巨大災害で工場がつぶれるなど、不可抗力で契約を履行できないとき。そういう事態は全然想定していない。6月中の全額出資はぎりぎりで、いけるかいけないかの世界だが、その方向で進んでいるのは間違いない」と述べた。
別の男性株主からも「シャープの今年度第1四半期(1Q)の業績を理由に、鴻海が出資を止めるといってくるのではないか。どの程度黒字になっているのか、めどを力強く述べてください」と不安の声が上がった。
高橋社長は「1Qが理由で出資されないことは、今私自身はそのような感覚は持っていない。経営状況については鴻海ときちんとシェアしている。出資が完了しないと、シナジーを生む取り組みができない」と答えた。
質問は打ち切られ、最後に6議案の採決に移った。いずれも原案通りに可決。総会は過去最長だった昨年と同じ3時間23分で終了した。
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