東芝の綱川社長「注意銘柄解除、年度内に」 財務健全化に意欲

 
産経新聞などのインタビューに応じた東芝の綱川智社長=23日、東京都港区(黄金崎元撮影)

 東芝の綱川智社長(60)は23日、産経新聞などのインタビューに応じ、原子力発電、社会インフラ、記憶用半導体の3本柱に集中して財務基盤の健全化を急ぎ、株主資本比率を3月末の6.1%から平成30年度までに10%以上に引き上げる方針を明らかにした。また「年度内には特設注意市場銘柄の解除を達成し、資本市場に復帰する」と強調。「時間はかかるが自由闊達にものが言える企業風土に変えていく」と述べ、財務体質の強化と社内の環境改善に取り組み、経営再建を推し進める考えを示した。

 東京証券取引所は昨年9月、不正会計が判明した東芝を、内部管理体制の改善が必要な特注銘柄に指定した。東芝は1年後に内部管理体制の状況報告を行うことになっている。綱川社長は「9月15日には(東証に報告書を)提出して確実に特注銘柄から脱出したい」と述べた。

 原子力発電は、42年度までに45基の受注目標を立てているが、「約430基の世界の原発のうち東芝グループは112基、シェア26%でトップだ。米国と中国でそれぞれ4基受注済みなのであと37基。それほどむちゃな数字ではない」と自信を示した。

 不振のパソコン事業については「一般消費者向けや海外販売をやめるなど構造改革を進めてきた。自力再生でプラスマイナスゼロにできる体制ができた」と赤字脱却の見通しを示した。そのうえで「いろいろな話があれば検討するが、いまは統合、再編は考えていない」と語った。