経営再建中の東芝の株主総会が22日、東京都墨田区の両国国技館で開かれた。東芝本体の累積赤字を解消するため資本金を現在の4399億円から2千億円に減資する議案や、次期社長に内定している綱川智副社長らを取締役に選任する人事案など会社側の議案がすべて可決された。
退任が内定している室町正志社長は不正会計による信頼失墜と業績悪化について「この1年間、ご迷惑、ご心配をお掛けした。配当金も見送らせていただき、誠に申し訳ありません」と陳謝した。総会には2089人が来場。構造改革を進めるため医療機器、白物家電事業の売却などを余儀なくされた経営陣の責任などを問う声も上がり、開催時間は2時間58分に及んだ。
東芝は、平成28年3月期連結決算で、本業のもうけを示す営業損益で7087億円の赤字(前期は1884億円の黒字)を計上。エネルギー、社会インフラ、半導体の3分野に注力し、29年3月期は黒字転換を図る。
次期社長となる綱川氏は「創業以来、厳しい状況の中、重責を担うこととなり身の引き締まる思い。期待に応えられるよう、聞く耳を持って邁進していきたい」と決意表明した。
東芝は不正会計で決算の報告が遅れ、昨年は定時総会に加え、9月に臨時総会を開催。株主から経営陣に批判が集中し、いずれも開催時間が3時間を超えた。