大阪市長「琵琶湖が汚染されれば関西終了」
関電株主総会詳報(2)関西電力の森詳介会長の開会宣言に続き、スクリーンに映し出された資料映像と音声で平成28年3月期の事業報告が行われた。
「火力燃料費の減少などで連結決算は5年ぶりに黒字転換したものの、財務体質の改善が急務。原発再稼働の見通しが立たず、28年度以降の収支状況は具体的に見通せないため、27年度の配当は無配としたい」
八木誠社長が登壇。「4月には電力の小売りが全面自由化され、29年4月にはガスの小売りが全面自由化されるなどエネルギー事業は本格的な自由競争の時代に入ります」と述べ、東日本大震災後としては初めて策定した中期経営計画などについて説明した。
株主から書面で寄せられた質問に各役員が回答。
八木社長「従来の枠組みにとらわれることなく、グループ一丸となって競争に打ち勝っていきたい。原発は国にも重要なベースロード電源として位置づけられていることから、安全確保を大前提に、引き続き重要な電源として活用していく。一日も早い再稼働を目指し、経営責任を果たしていきたい」
豊松秀己副社長「高浜原発3、4号機の再稼働では設備の点検を実施、教育訓練を徹底したが、4号機が自動停止するトラブルが発生した。一層緊張感を持ち、安全対策を徹底していきたい。大津地裁の仮処分に対しては、不服申し立てで安全性を立証し、早期の再稼働に全力を尽くしていく」
続いて、会場の株主からの質問が始まり、経営陣への厳しい追及が始まった。
京都市長の門川大作市長が4点の要求をした。
「1点目、中長期に脱原発を果たすこと。2点目、再生可能エネルギーの飛躍的な拡大を強力に推進する。3点目、原発をやむを得ず動かすとしても、万全の安全性を確保し、住民の理解を得て、必要最小限の稼働にとどめる。4点目、2度にわたる値上げは経済活動を直撃している。安価で安定した電力供給へ一層の経営改革を求める」
八木社長「電力の安全・安定供給のため、各種電源の特性を踏まえ、バランスのよい電源構成を進めたい。安全対策を自主的、継続的に進め、世界最高水準の安全性を構築していく。経営理念に基づき、安全最優先でお客さまの役に立ち続ける。早期の再稼働で一日も早い電気料金値下げを実現したい」
その後、大阪市の吉村洋文市長が質問に立った。
「原発一辺倒の経営方針を改めるべきだ。取締役の過半数を社外取締役にし、外部の視点を取り入れることを求める。4期連続の無配。このまま原発に頼れば、この状況はひどくなる。規制委自体が『(新規制基準は)安全を証明しない』といっている。あちこちの司法判断で止められ、こんな不安定な電源はない。福島の事故は続いており、あんな危険なものはない。もし琵琶湖が汚染されれば関西終了だ。決定的なダメージを受ける。これは重大な問題。使用済み核燃料の問題も解決していない。この方針を変えるべきだ。自由化が進んでくる中で、再生可能エネルギーに変えていくべきだ。電力事業は国策民営で進めてきたが、必ず国ははしごを外してくる」
ここで、森詳介会長が「質問時間が4分を過ぎています。簡潔にお願いします」と注意すると、吉村市長はいらだった口調で、「大株主である大阪市の意見を聴いてほしい。なぜ意見を聴く機会を持とうとしないのか」と詰め寄った。
これに対して、八木社長は「原発は競争力の源泉でもあり、将来にわたり活用していく。再生可能エネルギーは重要と認識しており、風力発電などの開発に取り組んでいく。現在、社外取締役からは経営者、専門家としての経験を発揮してもらっている。監査役から独立した立場で監査してもらっており、監査役制度で(経営の点検は)迅速、適切に対応できる。経営体制は有効に機能している」と答えた。
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