ビール類出荷、4年連続で最低 上期はキリン苦戦、シェア落とす

 
市場が縮小する中、キリンビールだけが大きくシェアを落とした=東京都内のスーパー

 ビール大手5社は12日、発泡酒などを含むビール類の2016年1~6月期の課税出荷数量を発表した。シェア(市場占有率)はアサヒビールが39.2%(前年同期は38.1%)と7年連続で首位を維持する一方、2位のキリンビールは32.1%(同34.0%)と同社として過去最低だった。市場全体が1.5%減と4年連続で過去最低を更新するなか、競争力の優劣がシェア争いに直結している。

 ビール類の1~6月期のシェアは、サントリービールが16.0%(同15.5%)、サッポロビールが11.9%(同11.5%)とそれぞれシェアを伸ばし、オリオンビールは0.9%と横ばいだった。順位に変動はないが、唯一シェアを落としたキリンの苦戦が鮮明となった。

 キリンの不振の原因は、シェアトップの「第3のビール」で他社の猛追を受けたからだ。

 アサヒは1月に「クリアアサヒ」をリニューアルし、サントリーも「金麦」の販促キャンペーンを積極的に仕掛けた。

 これに対し、キリンは昨年1月に新商品「のどごしオールライト」を投入した反動もあり、今年1~6月期の出荷は10%超も減少。シェアは30.8%とかろうじて「第3のビール」で首位を維持したがアサヒ(シェア29.3%)とサントリー(同28.5%)に肉薄された。

 キリンは9月に「のどごしオールライト」をリニューアルし、「巻き返しを図る」(布施孝之社長)考えだ。

 市場全体で2年ぶりに出荷がプラスに転じたビールでも、キリンは劣勢だった。昨年9月に発売した「ザ・モルツ」が堅調なサントリーや、「黒ラベル」が好調なサッポロがビールの出荷を増やした。アサヒは糖質50%オフの「ザ・ドリーム」を3月に発売し、てこ入れを図る。

 一方、キリンは47都道府県で味が違う「一番搾り」を5月から順次発売するが、1~6月期のビール出荷は2.2%減と効果は限定的だ。今後の酒税見直しで減税される可能性が高いビールは各社が販売を強化しており、ここでの勝敗が今後のシェア争いを左右するのは必至だ。