日本への留学生にコンビニ業務指南 ローソン、ベトナムに研修所
ベトナムで、コンビニ大手のローソンが日本に留学予定の学生にコンビニ業務を指南する研修所を開いた。レジ打ちや接客の基本を身に付けてもらい、すぐに店頭で働ける人材を育てる狙い。人手不足に悩むコンビニ業界が、外国人従業員を確保する必要に迫られていることが背景にある。
「いらっしゃいませ。ポイントカードはお持ちですか」「画面のタッチをお願いします」
首都ハノイのビルの一室。コンビニを模した部屋で、制服を着たベトナム人の若者が客役の講師を前に日本語で接客を実演する。ローソンが6月から実施している研修の一環だ。
「温かいものは分けましょうか」「お箸をお付けしましょうか」。敬語を交えたやりとりは、日本人の従業員とそれほど変わらない。
研修を受けるのはベトナムの日本語学校で学び、日本への留学が決まった学生。「客とやりとりすることで、日本語の上達にもつながる」と、コンビニでのアルバイトを希望している。
ローソンによると、同社のコンビニで働く約20万人のアルバイト従業員のうち、外国人は5000人以上を占める。多いのは中国人、ネパール人、ベトナム人だ。
ローソンはベトナム人従業員の確保を念頭に、同社でアルバイトした経験がある元日本留学生が経営する日本語学校と提携して、同社では海外初となる研修所をハノイと南部ホーチミンに開設した。2016年度中に約100人の雇用を見込む。台湾にも同様の研修所を開く計画だ。
ベトナムの若者にとって一番難しいのはレジ打ちという。キーボードの漢字が分からないためだ。商品を温めたり、チケットを販売したりするようなサービスも多くは未経験。接客方法も異なり「ベトナムではお客さんに『いらっしゃいませ』とは言いません」(研修生のティンさん)。
ローソン広報室は「店内作業の簡素化など、外国人がより働きやすくなるような環境、制度の整備を今後も進めていきたい」としている。(ハノイ 共同)
関連記事