ファナックとNTT 工場用IoT情報基盤で協業
産業用ロボットメーカーのファナックとNTTは28日、あらゆるモノをインターネットにつなげる「IoT」分野で協業すると発表した。ファナックが開発する工場向けのIoT情報基盤「フィールドシステム」にNTTグループが通信技術を提供し、機能強化を図る。ファナックは今年12月末に情報基盤のサービス提供を目指す。
ファナックは米シスコシステムズ、米ロックウェルオートメーション、プリファード・ネットワークス(東京都千代田区)と共同で工場の生産を効率化するIoT情報基盤の開発を進めている。開発中の情報基盤はファナックのロボットや工作機械などに設置したセンサーから得たデータを分析、不具合の予測や機械同士が連携できるという。
今回、NTTは「エッジコンピューティング」と呼ばれる技術を提供する。従来のクラウドサービスを使ったデータ分析は工作機械やロボットなどとデータセンターの距離が長いため、通信遅延があった。
エッジコンピューティングを活用すれば、工作機械などと近い距離でネットワークが配置されるため、通信遅延をなくし、データをリアルタイムに分散処理できる。ファナックの稲葉善治会長は同日開いた会見で「NTTのエッジ技術はフィールドシステムの魅力を高められる」と大きな期待を示した。
現在、工場向けの情報基盤は米ゼネラル・エレクトリック(GE)の「プレディクス」や米IBMの「ブルーミックス」などがあるが、いずれもクラウドサービスがベースとなっており、ファナックはNTTとの協業で差別化を図れそうだ。
また、今回の協業ではNTTだけでなく、NTTコミュニケーションズと情報基盤の構築・運用で、NTTデータとアプリ開発で協業する。
ファナックは8月にフィールドシステムの仕様を公開する予定。現在、200社前後のパートナーが参加しているという。情報基盤のコア技術はNTTグループの参画でそろったため、今後はアプリ開発のパートナーを増やす方針だ。稲葉会長は「工作機械やロボットにどれだけ接続できるかだが、数千億円規模になる」との見通しを示した。
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