東京メトロが食べやすい野菜 高架下で栽培、高級ホテルに売り込み強化
東京地下鉄(東京都台東区)は、植物工場で栽培している野菜事業を推進する。安心・安全という高付加価値を訴求してブランド化を図るため、百貨店や高級スーパーなどへ販路を広げるとともに、高級ホテルへの売り込みに力を入れる。今後、生産ノウハウを蓄積し、栽培品目を増やすことで認知度向上を図る。
工場野菜は高架下の土地の活用法を検討していた同社が、2015年1月から生産を始めた。東京都江戸川区の東西線西葛西駅から葛西駅の間の高架下の空き倉庫を改造した167平方メートルの室内に大型プラントを7台設置。温度や湿度を一定に管理して、蛍光灯の光でベビーリーフやレタスなど12種類を水耕栽培し、毎日400株を出荷している。
工場で水耕栽培する野菜にはさまざまなメリットがある。農薬を使用しないため安全で、えぐみやあくが少なく野菜が苦手な人も食べやすい。季節や気候の影響を受けないため、品質や供給量も安定する。雑菌が侵入しない環境で栽培することで、野菜が傷みにくく長期保存できる。これらの特徴を高付加価値としてアピールするため「とうきょうサラダ」というブランドで売り出した。
15年4月に初めて出荷したが、レタスが1株200円という高価格であったため、思うように販路が広がらなかった。事業開発本部の高原麗美課長補佐は「市販の同種の野菜より高いので苦戦した」と振り返る。
そこで高付加価値を訴えやすい高級ホテル向けに採用を働きかけ、15年6月からシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル(千葉県浦安市)に納入。ホテル内レストランでビュッフェのサラダとして提供されている。
今年6月には、ストリングスホテル東京インターコンチネンタル(東京都港区)にも採用され、とうきょうサラダを使用したコース料理がメニューに登場した。顧客からは「普段はあまり野菜を取らないが、くせがなくおいしい」と好評を得ているという。
さらにホテルからの要望で、エンダイブ、チコリー、ロロロッサといった水耕栽培であまり生産されていない葉物野菜の培養も進めている。
高原課長補佐は「販路拡大と生産ノウハウを向上させて収益化にめどを付け、事業を軌道に乗せたい」と話している。
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