シャープ株、2部降格でさらに値下がり 一時87円、鴻海買い取り価格を下回る

 
シャープ決算説明会で説明する野村勝明副社長=29日、東京都港区(伴龍二撮影)

 経営再建中のシャープの株価は1日、東証1部から2部に指定替えとなった初日の取引を続落して終えた。業績の先行き懸念から売り注文が優勢となり、一時前週末比5円安の87円を付け、台湾の鴻海精密工業による1株当たりの株式買い取り価格の88円を下回る場面もあった。

 88円を下回る状態が続けば、鴻海は市場価格より割高でシャープ株を買うことになる。鴻海が買収条件の見直しを求めれば、シャープ再建が行き詰まる可能性も出てくる。

 終値は2円安の90円だった。シャープが前週末に発表した2016年4~6月期連結決算で、液晶パネルや住宅向け太陽光発電の不振で純損益が赤字となったことが嫌気された。

 6月末に完了する予定だった鴻海による出資手続きは、買収に必要な独占禁止法に関する関係国の審査のうち、中国当局の承認が下りず遅れており、市場関係者は「株価が低迷する一因となっている」とみている。