シャープ、給与カット廃止へ 一般社員対象、人材流出に歯止め
台湾の鴻海精密工業の子会社になったシャープの戴正呉社長は22日、社員向けのメッセージで、実施中の給与カットのうち、管理職を除く一般社員に関して9月支給分から実質的に廃止する方針を示した。経営再建に向けた社員の意欲を高め、人材流出に歯止めをかける。
戴社長は「早期黒字化を実現し、輝けるグローバルブランドを目指す」とした事業戦略を表明。この中で、業績悪化を受け2012年度以降、断続的に実施してきた給与カットの一部廃止を盛り込み、社員への配慮をにじませた。
15年8月から続く管理職5%、一般社員2%の給与減額幅は変えないが、一般社員は手当で一律に、管理職には成果に応じてカット分を補充する。
戴社長は再建に向け、事業単位で収益への責任を明確にする分社化の推進や、コスト削減を徹底する方針を伝えた。機器同士が通信するモノのインターネット(IoT)を活用した事業の強化も目指す。
戴社長は13日付で就任。夏季休暇明けの22日、堺市の本社で記者団の取材に応じ「これから会社のビジョンを(社員と)一緒に作っていきたい」と抱負を述べた。一方で人員削減に関しては「業績が上がらなければ、やらなければいけない」と言及した。
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