三越伊勢丹“爆買い”失速で軌道修正 新宿の免税店開業延期も
三越伊勢丹ホールディングス(HD)が、東京・新宿で今年度中にオープンを目指す大型免税店の開業時期の延期を検討していることが23日、分かった。中国人観光客の“爆買い”の失速に伴って、免税売上高が急速に減っていることが背景。訪日客の買い物需要を取り込むため、百貨店などは免税対応を強化してきたが、足元の訪日客消費の減少を踏まえ、軌道を修正する動きも広がりそうだ。
三越伊勢丹HDは、消費税だけでなく関税や酒税、たばこ税も免除される市中空港型免税店事業に力を入れており、1月に沖縄県を除き初となる市中空港型免税店「Japan Duty Free GINZA」を三越銀座店に開いた。首都圏2号店として、新宿でも免税店を今年度中に開店する予定だった。
だが、年明け以降の円高傾向に加え、4月に中国政府が海外で購入した物品の関税を引き上げたことなどが響き、免税売上高が激減した。売れ筋が高額品から日用品や消耗品に移ったことで客単価も大幅に低下している。日本百貨店協会がまとめた免税売上高は4月から4カ月連続で前年同月を下回った。
訪日客の“爆買い”の恩恵を受けてきた総合免税店大手のラオックスも2016年6月中間連結決算で、売上高が前年同期比22.4%減の350億円、最終損益は46億円の黒字から4億円の赤字に転落した。
8月に入っても銀座の免税店では、団体客が訪れた時以外は客がまばら。何も買わず、手ぶらで店を出て行く訪日客も多く、昨年までの活況からは状況が一変している。
このため、三越伊勢丹HDは大型免税店の品揃えや開業時期について、再検討する必要があると判断した。
訪日外国人客の数自体は増加傾向にあることや、高島屋が17年春にも近隣の新宿高島屋に空港型免税店を展開することも踏まえ、どの程度先延ばしするかは今後詰める。
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■百貨店など各社の空港型免税店の取り組み
◆三越伊勢丹ホールディングス、日本空港ビルデングなど
・2016年1月に三越銀座店に開業。新宿での早期出店も検討
◆韓国ロッテグループ
・16年3月に銀座で1号店、5年間で国内5店の出店を予定
◆高島屋、韓国サムスングループなど
・17年春に新宿高島屋に1号店開業予定。大阪で2号店の開業を検討
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