迫真の演技…推理サスペンスを演じているのか? 怪しさ全開の「中国型民主主義」 (1/7ページ)

2016.8.21 17:08

ASEM首脳会議に臨む中国の李克強首相(中央)=7月15日、ウランバートル(共同)
ASEM首脳会議に臨む中国の李克強首相(中央)=7月15日、ウランバートル(共同)【拡大】

  • 南シナ海問題で記者会見する中国の劉振民外務次官(共同)
  • 北京の中国外務省で記者会見する華春瑩副報道局長(共同)
  • 北京の中国外務省で記者会見する洪磊副報道局長(共同)

【野口裕之の軍事情勢】

 「事態をエスカレートさせないよう強く求めていくとともに、毅然と冷静に対応している」 

 「現在の状況に冷静に対応し、緊張を高める行動を取らないよう強烈に希望する」

 尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海/接続水域に、記録的数の中国海警局公船や百隻単位の“中国漁船”が、特に8月に入り侵入を活発化させたが、侵入を受けて「政府」が発したコメントだ。ただし、前者は菅義偉官房長官、後者は中国外務省報道官の声明。被害者=被侵入者と加害者=侵入者の声明が同じとは。被害者を装う加害者を登場させる「推理サスペンス」のような展開には、驚くほかない。

 驚くといえば、毎回、作ったようなおっかない顔で話す中国外務省報道官の迫真の演技。「並の神経」の持ち主なら吹き出してしまうところだが、剣山でも握っているのか、はたまた官僚登用試験で演技力も試されるのか…。

 ところが、演技力が乏しい外交官もいる。

 南シナ海のほぼ全域を自国管轄海域などとする中国が唱えてきた複数のムリ筋主張に、国際的な仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)は7月、全て一蹴する裁定を下した。中国外務次官は直後、「裁定を紙クズと認識して棚上げし、交渉のテーブルに着くことを希望する」と述べたが、およそ外交官とは思えぬ暴言。もっとも、演技力には欠けるものの、中国の品性をさらに下げるのに役立った次官の暴言は、国際法を無視する中国の正体を素直に表現しており、実に「中華風」でわかりやすい。

中国の李克強首相の演技力は“風格”さえ漂わせ、冒頭紹介した外務省報道官を、はるかに上回る

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