フィンテック花盛り 銀行・保険の“本丸”にも最新技術導入
フィンテックが一段と盛り上がっている。金融機関によるAIやビッグデータといった最新技術の活用領域は、コールセンターでの顧客対応など「周辺業務」から、保険の引き受け判定や支払い査定、銀行の融資判断や決済など「本業」にも広がってきた。
第一生命ホールディングスの渡辺光一郎社長は6日までに産経新聞のインタビューに応じ、医療ビッグデータを活用し、保険の引き受け基準を緩和する検討を始めたことを明らかにした。将来の病気や罹(り)患(かん)後の状態を予測するモデルを構築し、特定の病気にかかった患者の保険加入をすべて断っていた態勢を見直す。
渡辺社長は「段階的に引き受け査定基準を緩和していく方針」と説明した。
また、子会社のネオファースト生命保険を通じ、ビッグデータを使って、実年齢ではなく「健康年齢」で保険料を算定する新商品を発売するという。高齢でも健康であれば保険料が安くなる。
損害保険会社では、三井住友海上火災保険が来年1月をめどに事故車両の調査データをビッグデータとして活用する仕組みを構築する。将来的に修理傾向などを「見える化」し、保険料を安くする。
みずほ銀行は融資の判断にAIを活用する。ソフトバンクと組んで、スマートフォン経由の個人向け融資事業を来年前半に始める。スマホのアプリに個人情報を入力すると、AIの判断で融資条件が決定。みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は「日本の融資を変える」と意気込む。
3メガバンクは先進的な金融サービスを求めて、ITベンチャーとの連携を強化。三井住友銀行は5日、異業種の企業からアイデアを募る選考会を開き、家計簿アプリを提供するマネーフォワードなど5グループが参加した。また、三菱東京UFJ銀行はベンチャー企業が持つ優れた技術やアイデアの事業化支援に力を入れている。
矢野経済研究所によると、フィンテック関連産業の国内市場規模は平成28年度の約65億円から、32年度には約567億円に膨らむ見通しだ。
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