三井物産がロシア医薬品Rファームに出資検討 JBICはロシア最大手銀に単独融資も
三井物産がロシアの製薬大手Rファーム(モスクワ市)に出資を検討していることが22日、分かった。国際協力銀行(JBIC)も金融支援する。官民でロシアの国内産業を育成し雇用拡大を支援する。JBICはこれとは別に、ロシア最大手銀行への単独融資を実施。日本政府は12月の日露首脳会談に向けて対露経済協力をまとめ、北方領土問題解決の環境を整える。
三井物産は、Rファームへ日本の先端技術の一部を供与し、将来の医薬品輸出を支援する。出資額は数十億円、出資比率は10~20%台とみられる。JBICも出資するか、Rファームへの融資を検討する。
Rファームは病院や医療機関向けの医療用医薬品メーカーで、日本やインドの製薬会社から医薬品ライセンス供与を受けている。
三井物産の経営参画が実現すれば、がん治療や抗生物質、免疫、抗ウイルスなどの治療薬の品ぞろえを強化。三井物産の世界的ネットワークを生かし、輸出も視野に入れる。会長のアレクシー・レピク氏は経済団体「実業ロシア」会長を務める有力者で、日本側としても安心感がある。
ロシアの医薬品市場には日本の製薬大手も進出しているが、寒さが厳しいことから心筋梗塞などの循環器系疾患が多く、平均寿命は2012年の調査で69歳と欧米の水準より10歳程度低い。ロシア側は、外貨導入で医薬品開発の高度化を急ぐとともに、資源依存型の産業構造からの脱却を図る。
一方、JBICはロシア最大手のズベルバンクに対し円建てで約40億円を単独融資した。この銀行は欧米による経済制裁の対象だが、日本円での融資は対象となっていない。
ズベルバンクはJBIC融資を活用し、極東ボストチヌイ港の運営会社に港の拡張工事に使う資金を貸し出す。同港の増強は、安倍晋三首相が5月に日露首脳会談で提案した8項目の経済協力に挙げられた。JBICが民間との協調ではなく、単独で融資するのは珍しい。現地の銀行を介して融資する「ツーステップローン」と呼ばれる手法を採用してリスクを低減する。
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