リニア中央新幹線 南アルプストンネルの土砂搬出を公開「着手で身引き締まる思い」
JR東海は28日、リニア中央新幹線「南アルプストンネル」(全長約25キロメートル)の山梨工区(約7・7キロメートル)で起点となる山梨県早川町で、掘削した土砂の搬出作業を公開した。掘削工事は前日の27日に始まっており、平成39年の品川-名古屋間の先行開業に向け、工事は新たな段階に入った。
同社によると、トンネルは山梨、静岡、長野の南アルプスを貫き、地表面から最大1400メートル地点で掘削が行われる。複雑な地層への対応、大量の地下水発生など、難工事が予想されている。
山梨工区は、本線で初のトンネル掘削。完成予定は37年10月末。昨年12月に着工され、今年4月に掘削を開始する予定だったが、機材設置などに時間がかかり、約半年遅れた。
トンネルは早川、広河原の2カ所の非常口から、斜坑を3~4キロメートル掘り進める。早川口では1日200人が作業にあたる。同社によると、来年度以降にリニアが実際に走る本抗(本線)を掘る地点に到達の予定。その後、本抗の掘削に移る。
28日は現地で工事を報道陣に公開。トンネルの内部から土砂がコンベヤーを伝ってトンネル入り口付近に排出された。土砂はダンプカーに積み込まれ、南側に約3キロ離れた塩島地区に設けた発生土の置き場に運ばれた。
難工事に加え、掘削で問題となるのが、ダンプカーが激しく行き来する町内の交通安全と、大量に発生する土砂だ。
山梨工区からは総計で231万立方メートルが排出される見込み。塩島地区の置き場は、約3万立方メートルの容量しかなく、発生量の2%に満たない水準だ。このほかの置き場は未定で、同社は山梨県と調整を急いでいる。
このほか、同県が進める早川芦安連絡道路の建設に約160万立方メートル、甲府市のリニア新駅周辺の基盤整備に約45万立方メートルの発生土を活用する方向で、調整している。
JR東海山梨工事事務所の加藤覚所長は、「着手できた喜びの一方で、身が引き締まる思いだ。安全確認を徹底し、地域との連携を図りながら進めていく」と意気込みを語った。
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