ヤフー、週休3日制の真意 新幹線通勤に交通費支給も開始「会社も変わっていくべき」
ヤフー上級執行役員・本間浩輔さん(48)
--週休3日制の導入を検討している
「社員の幸せや健康を大事にするという考えがあり、労働生産性の向上も目的だ。経営戦略としても、社員を大事にすることがいい人材の獲得につながる。IT企業で生産性を評価するのは難しいが、根性ではなく賢く利益を出すことを考えたときに、効率よく働ける環境が望ましいと考えた」
--制度設計は
「まだ検討中だが、社員がある程度選べるようになると思う。給料が減ってもいいので働く時間を短縮したいという場合もあるかもしれないし、生産性の向上で維持できるケースもある。介護や看護で、一時的に週休3日とすることも考えられる。それぞれの働き方で評価の手法も変わってくる。全業種が一気に、というのではなく、2020年にかけていろいろな実験をして効果をみて、踏み切れるものは実施していく」
--新幹線通勤の社員に対する交通費支給も始めた
「ITだからどこでも仕事ができる、というのが基本的な考え方なのに、介護のために会社を辞めてしまう人がいて寂しく、矛盾を感じた。社会の課題解決を考えているのだから、社内の課題も解決していかなければならない。高齢化の進展に合わせて、会社も変わっていくべきだ」
--採用では、新卒の一括採用を廃止した
「これまで通りの4月のほか、留学している人のことを考えて10月入社も設定した。また、30歳までの人には通年で門戸を開く。情報を持たない大学生のときに、その人の一生を左右する会社を選ばなければならないという現状に疑問を持っているからだ。採用に関して企業は傲慢になりがちだが、入社を希望する人に真摯(しんし)に向き合うことが大事だと考えている」
【プロフィル】本間浩輔
ほんま・こうすけ 早大人間科学卒、1992年野村総合研究所入社。2000年スポーツ・ナビゲーション(現ワイズ・スポーツ)の創業に参画し、取締役。02年ヤフーが同社を買収。「Yahoo!スポーツ」プロデューサー、人事本部長、執行役員などを経て、16年4月から現職。神奈川県出身。
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