5兆円超の電子マネー激戦、アップルペイで拡大 Edy巻き返し策
電子マネーをめぐる各社のサービス競争が激化している。楽天は5日、電子マネー「楽天Edy(エディ)」カードの入金や残金確認をスマートフォンでできるアプリを正式発表した。2001年にサービスを始めたエディは、イオンの「WAON(ワオン)」など後発に押されており、新サービスで巻き返しを図る。
国内では、米アップルが10月下旬、米国や中国などで既に展開する電子決済「アップルペイ」のサービスを「iPhone(アイフォーン)7」などで始めた。現金での支払いは米国の場合6割を切っているが、日本はまだ8割を超えていることもあり、市場の伸びしろが期待される。
エディの新サービスは、米グーグルのアンドロイドスマホに専用の無料アプリをインストールし、NFC(近距離無線通信)機能を使ってエディカードにスマホをかざすと、カードの残額が表示され、アプリに登録したクレジットカードでエディカードへの入金もできる。対応スマホは楽天などの格安スマホ事業者が販売しているものを中心に9機種。アイフォーン対応は予定していない。
エディは、おサイフケータイに対応したスマホや携帯電話では、すでに入金や残高確認のほか支払いもできたが、新サービスは、おサイフケータイに対応していないスマホでも、エディカードを持っていれば入金などができるようになる。
日銀によると、電子マネーの決済額は14年に初めて4兆円を突破。昨年10月からの1年間で5兆円を超えるなど増え続けている。特に国内スマホのシェアが5~6割とされるアイフォーンで利用できるアップルペイがスイカに対応したことなどから、電子マネーの決済額増加に寄与するとみられている。
エディは、セブン&アイ・ホールディングス傘下の各社などで使える「nanaco(ナナコ)」やワオンより先にサービスを開始しているため、累計発行枚数は1億枚超と多いが、クレジットカードに組み込まれているものなど「カードの所有者が電子マネーとして利用しないことが多い」(流通業関係者)ため、決済額ではナナコやワオンに押されているとされる。このため、楽天は新サービスで決済額増加を狙うが、大和総研経済環境調査部の町井克至主任研究員は「流通系電子マネーの勢いを覆すほどではない」と指摘する。
他の電子マネーに先駆けてアップルペイに対応したスイカや、KDDIの「auウォレット」など携帯電話大手の電子マネーも含め、顧客囲い込みに向けた各社の新サービス投入が続きそうだ。
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■主な電子マネー発行枚数
・楽天Edy(エディ)/約1億10万枚
・Suica(スイカ)/約6232万枚
・WAON(ワオン)/約6140万枚
・nanaco(ナナコ)/約5083万枚
※ワオンはカードのみ。ほかは携帯電話、スマートフォンアプリを含む。スイカは11月末時点。他は10月末時点
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