リコー社長・三浦善司さん(67)

2017 成長への展望

 ■100周年へ社会課題解決できる企業に

 --生産拠点の再編など構造改革の実施を決めた

 「為替が変動しても、ぶれない基盤作りを以前から目指していたが、2016年は現実的に大きな打撃を受けた。プリンティングの市場価格の下落の影響も大きい。一連の構造改革で、20年3月期までに1000億円のコスト削減を行う。18年3月までに全世界で2拠点の生産を終了するほか、本社も東京・銀座から大森事業所へ移転する。16年は創業80周年を迎えた。100周年に向けて、社会課題を解決できる企業として存続できるよう、メリハリをつけていきたい」

 --インクジェット事業に注力している

 「家具、壁紙、カーテン、スニーカーなどさまざまなものの表面に、インクジェットで柄を印刷する事業で、当社の強みが生かせる分野だ。約10年前から投資をしており、将来の柱として期待できる。市場も成長しており、20年に売上高1000億円を目指す」

 --3Dプリンティング、ヘルスケア事業の展開は

 「すでにプリンターメーカーにヘッドを提供しているが、自社でもプリンターを製造したい。将来的には人工臓器の製造などにもヘルスケア分野にも期待できる。以前から生体磁気計測装置の研究開発をしていたが、横河電機から脳磁計事業を継承した。米国でも展開し、てんかんの診断効率化に貢献していきたい」

 --オフィス向けの製品、サービスの展開は

 「複合機だけでなく、プロジェクター、テレビ・ウェブ会議システムなどを提供し、働き方の変革をサポートしてきた。全世界に展開する直売・サービス網を活用して、販売体制を強化していく」

 --人工知能(AI)を活用した製品、サービスは

 「米IBMのAI技術『ワトソン』を組み込んだインタラクティブホワイトボード(電子黒板)を開発した。ワトソンが会議中の議論や黒板上の書き込みなどを認識し、出席者が忘れてしまうような事項も指摘するなどのサポートを行う。今後は自動翻訳などの機能も充実させ、早期に商品化したい」

 --社内の「働き方改革」にどう取り組むか

 「育児休業は最長2年取得でき、男性の取得率も高い。16年度には、厚生労働省から均等・両立推進企業として表彰された。ダイバーシティ(多様性)を推進し、各人が能力を発揮できる環境にしたい。社員の健康増進や業務効率化のため、15年から国内グループを対象に社内、就業時間内の喫煙を全面禁止している。社会全体が喫煙に厳しくなっており、社員もすっかり慣れているようだ」

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【プロフィル】三浦善司

 みうら・ぜんじ 上智大大学院経済学研究科修了。1976年リコー。2000年執行役員経理本部長。常務、専務、副社長、ペンタックスリコーイメージング会長などを経て、13年4月から現職。青森県出身。