コマツ社長・大橋徹二さん(62)

2017 成長への展望
コマツ大橋徹二社長

 ■自助努力で業界の平均上回る成長を

 --建設機械業界は厳しい環境が続いている

 「ここ3年ぐらい、全体としてそうした状況が続いている。地域別には中国は上向いているが、他の地域が良くない。鉱山機械も厳しく、2008年のリーマン・ショック直後と似たような環境に陥っている。ただ、最近は多少ながら改善の兆しが出ている」

 --中国の建機需要は底打ちしたとみていいのか

 「昨年6月以降、販売は前年を上回っており、回復基調なのは間違いない。大規模工事の許可件数はまだ減っているが、金額は増えている。中国は春節(旧正月)後の2カ月だけで年間需要の4割を占める一方、そうした需要の偏りは年々、小さくなっている。不動産バブル崩壊の懸念もあり、春節明けの動向をよく見ていかないといけない」

 --米国はレンタルが厳しい

 「(売り上げの)3~4割を占めるレンタルは、一度納めると(中古で出てくるまで)3年ぐらい更新需要がない。ただ、それを除けば決して悪くない。足元の北米経済は堅調だ。ドナルド・トランプ氏の米大統領就任でインフラ投資が活発になるかははっきりしないが、老朽化したインフラの更新は必ず行われる」

 --トランプ氏は日本の為替対応を批判した際、コマツの社名を引き合いに出した

 「名前が挙がったことで、米国では当社を知らない顧客にも『そんなにいい会社なんだ』といわれ、大変感謝している。当社の米国事業の歴史は長い。工場もあり、6000人ほど雇用していることを誇りに思っている。建機は一番早い段階でグローバル化が進んだ業種で、関税もないような状態だ。(米国が保護主義的な動きを強めたとしても)影響はない気がする」

 --IoT(モノのインターネット)などの先端技術を活用した建設現場の支援サービス「スマートコンストラクション」が普及しつつある

 「ドローン(小型無人機)で集めた3次元の測量データなどを使って(建設現場の)生産性を向上し、工事の発注を平準化できる。まだ全工事全体に占める割合はわずかだが、今年、来年と(顧客が使い方に)慣れ、さらに定着するだろう。建設労働者の不足解消に貢献していく」

 --昨年4月に3カ年の中期経営計画が始動した

 「イノベーションによる成長戦略、既存事業の成長戦略、土台強化のための構造改革-の3つを推進していく。自助努力で業界平均以上の成長を遂げられるかだが、(目標達成の)可能性は十分ある」

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【プロフィル】大橋徹二

 おおはし・てつじ 東大工卒。1977年コマツ入社。2009年取締役兼常務執行役員、12年取締役兼専務執行役員などを経て、13年4月から現職。東京都出身。