積水ハウス社長・阿部俊則さん(65)

2017成長への展望

 ■新築の8割を「エネ収支ゼロ住宅」に

 --2017年1月期は、売上高、利益で過去最高を見込んでいる

 「相続税の節税対策で需要が伸びている賃貸用住宅がかなり好調だ。リーマン・ショック以降、構造改革などを進めてきたことで、利益率の改善効果が出ている」

 --住宅販売の足元の状況は

 「低金利など、引き続き住宅販売への環境はいい。ただ今年4月に予定されていた消費税増税が延期されたことで、増税を見越して住宅購入を検討していた人の商談が、少し先伸びしている状況がある」

 --賃貸用住宅の展開は

 「(賃貸用住宅のうち)3~4階建てが6割超までになった。(建材をある程度組み立てて出荷する)工場生産型で強みがある。工場生産型の住宅は賃貸用に限らず、保育園、ホテルなどにも需要が大きく、工期が短い点やコストなどをアピールして用途も拡大していける」

 --太陽光発電装置などを備え、年間発電量が消費電力と相殺されるエネルギー収支「ゼロ」住宅に注力している

 「(新築物件のうち)当初70%の導入を目標としてきたが、この目標を上回ることができた。もともと優れた断熱技術などを持っていたことで達成できた。次は8割を目指す」

 --訪日外国人客増加への取り組みは

 「宿坊をテーマにした宿泊施設を大阪市内に3月に開業する。外国人をターゲットに、特徴のある宿泊施設になる。ホテルの需要は追いついていないので、計画を進めている。大阪や東京はこれから需要があると考えている」

 --リフォーム事業が伸び悩んでいる

 「(受注額1000万円超の)大型リフォームを現在の9%から20%程度まで高めたいと考えている。人的な投入が足りていない。営業が1000人強の体制だが、2~3割増員していく。戸建ての顧客に対し、地域に根ざしたきめ細かい営業でリフォーム需要を掘り起こしていく」

 --海外事業展開の方針は

 「基本は人口があるところと、われわれの強い環境ビジネスが受け入れられるところだ。米国では土地の分譲と賃貸住宅が中心だが、伸ばしていけると考えて積極的に取り組む。海外での省エネ住宅の需要は日本ほど高まってはいないが、アピールしていきたい」

                   ◇

【プロフィル】阿部俊則

 あべ・としのり 東北学院大文卒。1975年積水ハウス入社。常務、専務などを経て、2008年4月から現職。宮城県出身。