「プレミアムフライデー」に向けプレイベントを各社開催 高級ビール無料、人気化粧法体験…個人消費の拡大へ

 
プレミアムフライデーに向けて、サントリービールが行った事前デモンストレーション=27日、東京都千代田区(黄金崎元撮影)

 毎月最終金曜を午後3時終業にして個人消費喚起につなげる「プレミアムフライデー」が来月24日に始まるのを前に、各社が取り組む内容を報道陣向けに紹介するプレイベントが27日、開かれた。プレミアムフライデーのロゴマークの使用を申請する企業・団体は900件を突破しており、新たな商機につなげようとする動きが広がっている。

 プレミアムフライデーは、政府が名目国内総生産(GDP)600兆円を目指す中、個人消費拡大の具体策として経済産業省、経団連などが連携して取り組む。午後3時以後を買い物や家族との外食、観光などに活用するよう図る。

 プレイベントでは、サントリービールが高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」を提供する約1100の飲食店で1杯無料となるキャンペーンを発表した。コーセーは、仕事を終えた女性が化粧を直して週末をより美しく過ごせるようにと、人気の化粧法を体験できるイベントを開催した。

 日本百貨店協会は「食」をテーマにしたイベントの計画を発表。伊勢丹新宿本店(東京都新宿区)は1千円の参加費で各レストランの特別メニューを食べ歩きできるようにする。百貨店協会の大西洋会長(三越伊勢丹ホールディングス社長)は「消費喚起の機会をもらった。街ぐるみの取り組みを計画しており、輪を広げていくことが大事だ」と語った。

 JTBグループは遅い時間のチェックインでも夕食がとれる温泉宿の宿泊プランやリゾート連泊プランを企画、日本旅行は沖縄や香港、ソウル行きなど「2・5日間」に適したツアー商品を強化し、金曜午後からの旅行客に対応する。

 プリンスホテルは、グランドプリンスホテル高輪(東京都港区)でヨガやサウナ、映画館などに使える2160円分のチケットがついた午後3時チェックインの宿泊プランなどを用意する。

 野村証券経済調査部の宮入祐輔氏は「金曜夕方に余暇時間ができることで、週末の『コト消費』拡大と働き方改革の両方で効果を発揮する」と分析する。