ドコモ「AIタクシー」商用化 来年度、リアルタイムで需要位置予測
NTTドコモの人工知能(AI)を使ったタクシーの需要予測システムを基に運転している
NTTドコモは17日、携帯電話ネットワークやNTTグループの人工知能(AI)を活用して、タクシー利用客が多くいる場所を予測するシステム「AIタクシー」を2017年度下期に商用化する考えを明らかにした。昨年6月から東京無線協同組合のタクシーとの実験で高い効果を得た。タクシー配車システムを提供している富士通テン(神戸市)などと共同で、全国のタクシー事業者向けにAIタクシーの提供を始める。
AIタクシーは、タクシーに取り付けたタブレット端末の地図上に、30分後までの需要台数が数字で表示される仕組み。駅前や大通りなど普段から人通りが多いところで大きな数字が表示されるのに加えて、成人式やコンサート、入試会場など、一時的に需要が多くなる場所でも大きな数字が表示される。
携帯電話と基地局の間の電波のやり取りを基にしたドコモの既存システムや、タクシー会社の過去の運行データ、NTTのAIなどを組み合わせて、リアルタイムでタクシー利用者の需要を予測できるという。
実験は昨年6月から、東京23区と武蔵野、三鷹の両市で東京無線の12台のタクシーで実施。AIの予測を基に運行したところ、昨年11月から12月にかけて実験に参加した乗務員の売り上げの増加幅が、東京無線の乗務員全体の増加幅を約50%も上回った。
ドコモは都内のほか、名古屋市でも昨年12月からAIタクシーの実験を始めている。
今後、結果を基に課題を洗い出した上で、全国展開を検討する。
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