春闘・電機大手、業績停滞でベア1000円で綱引き 自動車も今年は経営側慎重

 
電機・自動車大手のベア要求・妥結額推移

 電機大手の2017年春闘交渉は中盤を迎え、月額1000円のベースアップ(ベア)をめぐり労使の綱引きが続く。労働組合側は4年連続の賃金水準引き上げを求めるが、経営側は業績の停滞や過去のベアが重荷となり慎重な姿勢で、妥結水準が前年実績(1500円)を下回る可能性も出てきた。電機とともに春闘相場を牽引(けんいん)する自動車でも厳しい交渉になっている。

 電機各社の業績は円高や海外市場の減速などで減収、減益傾向だ。各社の労組で構成する電機連合は今春闘で昨年と同水準の月額3000円以上を統一要求に掲げた。

 過去3年は要求の半額が着地点となったが、経営側からは「今年はワンコイン(500円)、譲歩しても1000円が落としどころだ」と例年以上に厳しい声が漏れる。

 電機連合の野中孝泰中央執行委員長は2月27日の会議で「労働者の不安払拭のため月例賃金(ベア)に最後までこだわる」と強調。「交渉難航が予想されるが、追い込みをはかってほしい」とハッパを掛けた。

 自動車でも労組関係者から「経営側の雰囲気は昨年より厳しい」との声が聞かれる。トヨタ自動車は3月1日、2回目の労使協議会を開催。前年と同水準の3000円のベアを要求する労組に対し、経営側は「賃金を一律に引き上げる要素は見当たらない」と慎重な姿勢を崩さなかった。

 前年は満額回答だった日産自動車の交渉ではベアに理解を示す発言が出る一方、トランプ米大統領の政策や英国の欧州連合(EU)離脱など経営環境の不透明さへの懸念も示された。自動車総連の相原康伸会長は全体の交渉状況について「現段階では労使の主張は隔たりが大きい」と指摘している。