どうなる東芝…WH売却先、韓国公社が浮上 米政府が容認する可能性も

 
東芝本社ビル=17日午後、東京都港区(本社チャーターヘリから、桐原正道撮影)

 巨額損失の原因となった東芝の米原発子会社、ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の売却先に、韓国電力公社(KEPCO)が浮上している。東芝にとっては、売却で今後の損失リスクから解放されるメリットがあり、海外進出を加速したいKEPCO側も関心を示しているもようだ。現時点で交渉入りはしていないとみられるが、展開次第では一気に話が進む可能性もありそうだ。

 英フィナンシャル・タイムズは5日(現地時間)、東芝がWHをKEPCOに売却する可能性があると報じた。韓国の朝鮮日報は、6日付の記事でその内容を紹介した上、「正式な提案は来ていないが、内部で検討しているのは事実」とのKEPCO関係者のコメントを伝えた。

 世界の原発市場は、東芝-WHと三菱重工業-仏アレバ、日立製作所-米ゼネラル・エレクトリック(GE)の3陣営が主導してきた。一方、台頭しつつあるのが中国やロシアなどの新興勢力だ。韓国もその一つで、KEPCOや子会社の韓国水力・原子力会社(KHNP)、斗山重工業が一体となって輸出を推進している。

 安全規制の強化などで事業環境が厳しくなるなか、WHを売ろうにも候補は少ない。三菱重工は、経営危機に陥ったアレバの支援で手いっぱいの状態。日立とGEは原発への投資に慎重だ。中国やロシアは、安全保障上の理由で米政府が売却を認めない可能性が高い。

 これに対し、韓国は2009年、海外初の新設案件をアラブ首長国連邦(UAE)で勝ち取ったが、それ以外に受注が確定しているものはまだない。輸出拡大のためにも、実績豊富なWHを取り込みたいところだ。

 韓国の原子炉はもともと、WHの設計を元に開発された経緯があり、炉型が同じ加圧水型軽水炉(PWR)のため、相乗効果も得やすそうだ。昨年10月には、WHとKHNPが技術協力を促進する内容の覚書を交わすなど、関係も近い。何より中国やロシアと違い、米政府も容認する可能性がある。

 KEPCOは東芝が60%を出資し、英国で進めている原発新設計画の運営会社についても、株式取得に関心を示しているとされる。

 日本メーカー関係者は「(業界)再編につながる可能性もあるので、動向には目を配る必要がある」と話す。