シャープ・戴正呉社長、国内工場の生産体制強化 人員削減を否定
インタビューに応じるシャープの戴正呉社長=14日、堺市
経営再建中のシャープの戴正呉社長は14日、共同通信のインタビューに応じ、液晶パネルを扱う亀山工場(三重県亀山市)の人員を増やすなど、国内工場の生産体制を強化する考えを示した。国内拠点での人員削減も明確に否定した。業績改善に向け、海外子会社の統廃合などを通じ、経営合理化を進める方針を強調した。
戴社長は亀山工場を「液晶分野で一番重要な拠点だ」と指摘。社長就任後に約250人増員し、数年内にさらに250人程度の技術者を確保する。注力する次世代パネル「有機EL」の開発にも充てる考えだ。
音声を認識して動く次世代のIT家電も、中国に加え、八尾工場(大阪府八尾市)での生産を検討する。液晶テレビを扱う矢板工場(栃木県矢板市)も他の拠点と統廃合せず「(次世代の超高精細な)8Kの開発を任せたい」と述べた。
人員削減に関しては「国内は一切やらない。これが基本方針だ」と明言。ただ雇用環境が異なる海外は「(状況が)ちょっと違う」と話し、多くの子会社を抱える中国を念頭に、統合などによる構造改革を2017年度以降、進めていく方針を示した。
戴社長は働き方改革の重要性にも触れ「社員が家族と一緒にいられるよう転勤制度を見直している」と説明。地方工場を中心に、遠隔地への転勤を抑えるといった対策を始めていることを明らかにした。
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