富士通、レノボと詰めの交渉続く PC統合は4月以降に先送り 

 

 富士通と中国の聯想(レノボ)グループが3月中としていたパソコン事業統合の最終合意が4月以降に先送りになることが28日、分かった。富士通側の工場や雇用の維持など大筋の方向性は固まったが、詰めの交渉に時間がかかっているため。

 富士通とレノボの国内市場の占有率を合計すると40%以上になる見込みで、合意後に独占禁止法に基づく公正取引委員会の審査を受ける必要もある。実際の統合時期はさらにずれ込むとみられる。

 両社は昨年10月に事業統合を含む戦略的提携の検討を発表した。富士通の福島県伊達市と島根県出雲市の工場や雇用、「FMV」で知られるブランドは維持する方向で交渉を進めてきた。新設する合弁会社にレノボが過半を出資して経営権を握り、残りを富士通と日本政策投資銀行が出資するとみられる。